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“ロンドンブーツ”それは革製で、ヒールの高さは実に10センチもあった。

「身長165センチの人が履けば、175センチの高さの視点で世の中が見られるんです。そう快そのものですよ。足の短い日本の男性だからこそ、あれだけウケたのでは」と、細野氏はその人気の理由を説明する。

ただ、ヒールが高いだけでは基本的に女性のハイヒールと変わりはない。ロンドンブーツのロンドンブーツたるゆえんは、さらにストームというパンを靴底の前部に付け、4センチも高くしたことだった。このことにより、靴底全体の“底上げ”が可能になったのである。

「ストームは、10ミリのスポンジを重ね合わせて成型したもの。これがあったから、男でもラクに履けたんですよ」と細野氏。そして、このブーツが口コミでだんだん広まって若者の間に定着してくると、ストームをカラーにしてくれとか、ヒールを13センチにしてくれなどというオーダーが増えてきたという。

「それに星のマークをアップリケしたり、ユニオンジャックをのせたり、ヘビ柄なんかをあしらったこともあります。個性的にしようとしたんですね」

そうなると自然に上昇するのが値段だ。

無地は1万8千円だったが、オーダーものだと2万8千円ほど。しかも、ヘビ皮を使うとなんと3万8千円だったというから、当時の靴の価格としては破格に高かったのである。
それでも、何がなんでも手に入れたい、いや、足を入れてみたいという若者は次から次へと現れたらしい。何しろ1970年から73年のブームの間に、軽く1万足を売ったのだから。

細野氏がロンドンブーツを考案したのは、そもそも1枚のレコードジャケットがキッカケだった。

知り合いのレコード店の店長が、「何十年に一回しか出ないリズム」だといって見せてもらったそれは、ロックミュージックのアルバムだったという。

「ジャケットに写っているロックグループを見て、これだと思ったんですね。このファッションだったら、ぜったいロンドンブーツのようなデザインがピッタリくると思った」

案の定、それからロックンロールのリズムは大流行。

若い男性は髪を肩まで伸ばし、タンクトップを着て、ヒザをわざとくりぬいたジーパンをはいて街をかっ歩したのである。当時のある週刊誌は、この現象を「男性のユニセックス化がさらに進行!!」と書き立てている。






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